COLUMN

社会福祉法人を運営するために必要な保険

平成29年4月の社会福祉法改正にともない、ガバナンス強化策として評議員制度の改革が行われ、社会福祉法人の理事・監事は株式会社における取締役や監査役、社団法人・財団法人の役員等と同様に業務遂行上様々な義務・責任等を負うことになりました。

 

社会福祉法人における理事・監事がおこなう日々の業務・経営判断は、損害賠償リスクと隣合わせの時代に突入致しました。ここでは社会福祉法人を運営するにあたり検討すべき保険について解説いたします。

 

 

会社役員賠償責任保険

理事・監事の責任の明文化

・法人に対する損害賠償責任(社会福祉法第45条の201項)

・第三者に対する損害賠償責任(社会福祉法第45条の211項)

社会福祉法において、法人に対する損害賠償責任と第三者に対する損害賠償責任が明確化されていますので、こういった事態に陥った際に補償をしてくれるのが、会社役員賠償責任保険という保険になります。

 

行政、近隣住民、利用者・利用者家族・従業員、取引先等々様々な方面から訴えられた際に役立つ保険となっており、役員に対する損害賠償を補償しますので、社会福祉法人を運営する上では必ず必要な保険であると言えます。

 

社会福祉事業総合賠償

「施設内で利用者が滑って転んだ」「介助中にベッドから転落させてしまった」「利用者の眼鏡を壊してしまった」「ケアプランの作成ミスにより相当の介護を受けられなくなり、利用者に訴えられた」などなど、業務運営上のトラブルはつきものです。

 

こういったトラブルを未然に防ぐための対策は取られていると思いますが、それでも万が一発生した場合の損失に備えるためにも、社会福祉事業専用の賠償責任保険をオススメ致します。

 

なお、これらの保険には、『情報漏洩』『訪問介護』『施設利用者傷害保険』『従業員傷害保険』『感染症見舞』『使用者賠償責任』等々との特約が付帯できます。

 

特に新型コロナウィルス感染症の拡大を受けて、介護施設等における職員感染リスクは厳重な注意を払っておられますが、万が一、職員が感染した場合には『感染症見舞金』の支払に関する規定を作成した上で、特約を付帯しておけば職員へ支払う見舞金が補償されます。

 

火災保険

ハザードマップで所在地の確認されていると思いますが、先日の九州豪雨でも被害がありましたように、施設における災害リスクをご確認下さい。

その上で、加入されておられる火災保険も今一度、ご確認下さい。

 

水災の補償は付帯されてますか?床上浸水45㎝もしくは、損害額の30%以上の損害の際に保険金が支払われる保険になってませんか?水災条件がありの場合、保険金のお支払いができない場合もあります。

 

ハザードマップでご確認を頂き、水災リスクがある地域の場合には、水災の限定補償は見直しておかれることをオススメします。

 

自動車保険

法人で所有する車、バイクをまとめて契約することにより、10台以上であればフリート契約が可能です。フリート契約者には、各保険会社によってサービス内容は異なりますが、安全交通講習を受けられたり、ドライバー全員に運転適性診断が受けられたりするサービスがあります。

 

更に、自動車保険にてドライブレコーダーを装着するサービスが各保険会社充実しております。

 

ドライブレコーダーが付帯されている事により、万が一の事故が発生した場合にスムーズな解決に導いてくれたり、あおり運転等怖い思いをした際、記憶に残す事ができるので、ドライブレコーダーを付帯される事業所も増えてきております。

 

ドライブレコーダーからの情報により、ドライバーの運転情報をフィードバックしてくれるサービスもありますので、事故防止への取組にお役立てすることが出来ます。

 

まとめ

社会福祉法人では、色々なリスクが隣合わせになっていますので、補償に漏れがないよう今一度補償の見直しを頂きたいと願います。世の中の眼差しは安心・安全な場所という認識をされています。

 

事業運営において、いろいろな対策やリスクマネジメント施策は取られていると思いますが、保険へ移転できるリスクは是非保険会社に委ねてください。

 

<文責>

株式会社FPイノベーション

専務取締役 林 健太郎

 

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