COLUMN
従業員の手取りを増やす福利厚生
財務省が発表している令和6年度の国民負担率は、
国税:16.9%
地方税:9.9%
社会保障費:18.4%
の合計:45.1%になる見通しだとしています。
※国民負担率とは租税負担率と社会保障負担率を合計した率
財務省HP
国民平均の社会保障費負担率が18.4%というのはかなり高いですよね・・・
頑張った社員に対して昇給をして報いようとしても、税金と社会保険料で45%程度も持っていかれるのであれば、従業員のモチベーションを高くするのは困難です。
そこで社員のモチベーションを高め、離職率の低下や人材募集の効率化を図るために「可処分所得の増大化」を福利厚生制度に組み込むのは非常に効果があると思います。
「可処分所得の増大化」なんて分かりにくい表現ではなく、某政党の公約を借りて
「従業員の手取りを増やす福利厚生制度」
と命名したいと思います。
具体的には、従業員を対象にした法人契約の生命保険で、従業員またはその家族を受取人にする形態で契約をします。
死亡保障や医療保障だけでなく、がんや介護保障も含めて従業員が保険料を個人負担する必要がないくらいにまで法人が完璧に保障を提供することは、「従業員の手取りを増やす福利厚生制度」と言ってよいでしょう。
詳細は割愛しますが、法人が従業員のために負担する保険料で、従業員またはその家族が受取人となっている場合で、福利厚生制度として普遍的に加入している場合には、給与の取り扱いをしなくても良いと規程されています。
※法人税基本通達9-3-4(3)・9-3-5・9-5-3の2 所得税基本通達36-31・36-31の2
なお社会保険料についても、当時の社会保険庁から福利厚生として普遍的加入をしている生命保険で、受取人が被保険者または被保険者の親族であれば、社会保険料の算定基礎賃金に入れなくて良いとされています。
※昭和38年2月6日 社会保険庁通知 団体養老保険の保険料について
ちなみに「普遍的加入」とは、従業員であれば誰もが加入している状態を指しますので、特定の従業員のみを加入させると給与扱となり、社会保険料の算定基礎賃金の対象となりますので、ご注意下さい。
福利厚生制度として一番活用されている生命保険は、解約返戻金のない「定期保険」「収入保障保険」「終身医療保険」「終身がん保険」で、これらでしっかりと保障を提供することにより、従業員は個人で保険料負担をする必要がなくなりますので、実質的に手取りを増やす効果が得られます。
もちろん生命保険以外にも、個人が負担しているものを法人が負担することで、実質的に手取りを増やす効果が得られますので、従業員の採用・定着に困っておられる企業は、制度導入を検討されてみてはいかがでしょうか?
<文責>
株式会社FPイノベーション
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